予防接種の現状と麻疹ワクチン

国立感染症研究所感染症情報センター室長 岡部信彦

2001年4月実施をめどに改正予防接種法が国会に上程される動きがある。 要点は、定期接種から外されていたインフルエンザワクチンが、定期2類として新設された(表)。 1類よりは勧奨度は緩く、本人や保護者の判断にまかせられるが、基本的には接種すべきものとされている。

麻疹ワクチンの副作用

接種後10日前後で軽度発熱が20~30%にみられる。

卵アレルギー患者の接種

これまで卵アレルギーをもつ小児は接種が見送られてきたが、ワクチン製造の技術精度が向上してきたため、ワクチンに含まれる卵蛋白は極めて少なく、卵アレルギーということだけで接種を回避することは適当ではない。

ゼラチンアレルギー患者の接種

ゼラチンが除去されたものや、改良型ゼラチンを使用したワクチンが開発されているので、それを使用する。

予防接種の新分類

定期 1類 ジフテリア 百日咳 破傷風 麻疹 風疹 日本脳炎
2類 インフルエンザ
任意 ムンプス 水痘 狂犬病 コレラ ワイル病

(日医ニュース2000.4.15より引用) 

文責: 笹川征雄